PFC・栄養

インスリンは太るホルモン?実は筋肉を増やすために欠かせない存在

「糖質を食べるとインスリンが出るから太る」

筋トレをしていると一度は聞いたことがある話です。

実際、減量を始めると糖質を必要以上に怖がる人も少なくありません。

でも結論から言うと、筋肉を増やしたいのであればインスリンは敵ではなく味方です。

なぜならインスリンには、

といった筋肥大に欠かせない働きがあるからです。

私自身、これまで200名以上のクライアントを指導してきましたが、筋肉が増えない人ほど糖質を怖がり、筋肉が増える人ほど糖質とインスリンを上手く活用しています。

今回はそんなインスリンについて、筋トレをしている人向けにわかりやすく解説していきます。

そもそもインスリンとは?

インスリンは膵臓から分泌されるホルモンです。

主な役割は血糖値を正常な範囲に保つこと。

食事で摂取した炭水化物は消化されてブドウ糖となり、血液中へ吸収されます。すると血糖値が上昇し、それを下げるためにインスリンが分泌されます。

インスリンは血液中のブドウ糖を筋肉や肝臓、脂肪細胞へ運び込み、エネルギーとして利用したり貯蔵したりします。

つまりインスリンは、食べた栄養を身体に届ける配送業者のような存在です。

そのためインスリンがなければ、せっかく摂取した栄養も効率よく活用することができません。

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なぜ筋肥大にインスリンが必要なのか?

筋トレをしている人にとって重要なのは、単純に体重を増やすことではありません。筋肉を増やすことです。

その筋肥大において、インスリンは大きく3つの役割を持っています。

① 筋タンパク質合成を促進する

筋肉はトレーニングによって傷つき、その後の回復過程で強く大きくなります。このとき必要になるのがアミノ酸です。

インスリンは筋細胞へのアミノ酸の取り込みを促進し、筋肉の材料を届ける働きを持っています。さらに筋肉を成長させるスイッチとも呼ばれるmTOR経路を活性化し、筋タンパク質合成をサポートします。

簡単に言えば、

そんな役割を担っているわけです。

だからこそトレーニング後はプロテインだけでなく、適度な糖質も一緒に摂ることが推奨されるのです。

② 筋肉の分解を抑える

筋肉は常に、合成と分解を繰り返しています。

筋肥大とは、

の差によって決まります。

つまり筋肉を増やすためには、合成を増やすだけでなく分解を減らすことも重要です。

インスリンには筋タンパク質の分解を抑制する作用があります。特に、

などでは筋肉が分解されやすくなります。そんな時に適切な糖質摂取によってインスリンを分泌させることで、筋肉を守りやすくなります。

③ トレーニング後の回復を早める

トレーニング中の主なエネルギー源は筋グリコーゲンです。グリコーゲンとは筋肉内に蓄えられている糖のことで、高重量トレーニングやボリュームの多いトレーニングでは大量に消費されます。

インスリンは筋肉への糖の取り込みを促進し、消耗したグリコーゲンの回復をサポートします。その結果、

といったメリットが得られます。

筋肥大を目指すなら、トレーニングだけでなく回復力も非常に重要です。

じゃあインスリンが多いほど筋肉は増えるの?

ここで勘違いしてはいけないポイントがあります。それは、

「インスリンが高ければ高いほど筋肉が増えるわけではない」

ということです。

確かにインスリンは筋肥大に有利なホルモンです。しかし必要以上に糖質を食べ続ければ、余ったエネルギーは脂肪として蓄積されます。

また慢性的な過食状態が続くと、インスリンの効きが悪くなる「インスリン抵抗性」が起こる可能性もあります。

つまり大切なのは、インスリンをたくさん出すことではなく、必要なタイミングで適切に活用することです。

現場で感じる筋肉が増える人の共通点

これまで200名以上を指導してきた中で感じるのは、筋肉が増える人ほど糖質を上手く使っているということです。

例えば体重70kg前後の男性の場合、

こういった基本ができている人はトレーニング強度も高く、筋肉の成長もスムーズです。

一方で「糖質は太るから怖い」と考えて必要以上に制限してしまう人は、

という状態に陥りやすい印象があります。

もちろん個人差はありますが、筋肥大を狙うなら糖質とインスリンは活用した方が圧倒的に有利です。

まとめ

インスリンは「太るホルモン」として悪者扱いされることがあります。しかし実際には、

といった筋肥大に欠かせない役割を持っています。

重要なのはインスリンを避けることではなく、正しく利用することです。

筋肉を増やしたいのであれば、トレーニング前後を中心に適切な糖質とタンパク質を摂取し、インスリンの力を味方につけましょう。

インスリンは筋肥大の敵ではありません。むしろ、上手く付き合うべき強力なパートナーなのです。

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